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2015.11.14

かぶりつきで聴く ヴェルディ・レクイエムはド迫力!!

秋の夜長のローマ、昨夜はパルコディムージカ・アウディトリウムのサンタチェリアホールで
ヴェルディ・レクイエムを観賞しました

ヴェルディのレクイエムはモーツァルト、フォーレの作品とともに「三大レクイエム」の一つ
「最も華麗なレクイエム」と称賛されています。
イタリアの文豪アレッサンドロ・マンゾーニを追悼する目的で作曲
教会のミサ曲に相応しくなく「あまりにイタリア・オペラ的」「ドラマ性が強すぎる」
「劇場的であり教会に相応しくない」とする評価が当時からありました。
ヴェルディ夫人は下記の書簡を残しています。
「ヴェルディのような人はヴェルディのように書くべきなのです。
つまり、彼がどう詩句を感じ、解釈したのかに従って書くということです。
仮に宗教にはその始まり、発展そして変化というものが時代と場所に応じてあるのだ、
ということを認めるならば、宗教的精神とその表現方法も、
時代と作者の個性に応じて変化しなければならないでしょう。
私自身はヴェルディのレクイエムがA氏の、B氏のあるいはC氏の
影響を受けなければならないのだとしたら、そんなものは懲り懲りです。」
ヴェルディはこのレクイエムの前にロッシーニのレクイエムを計画していましたが
周囲の協力が得られず頓挫しました。
集大成としてこのレクイエムが後世に残ったことは財産です。


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前から2列目の中央席から鑑賞しました。
歌手の咽の奥まで見える距離、指揮者が撥ねる度に埃が舞ってました。
「音」が生(なんの媒介もしないで)耳に入る
ド迫力です。 居眠りをする余裕もありません。
あまりにも近すぎて全体の写真が撮れませんでした。



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休憩を入れず、約1時間半の迫力ある演奏
超満員でした。
演奏が終わり、高揚感に浸りながら家路へと



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演奏者たちも満足げ 
機会がありましたらヴェルディのレクイエム 鑑賞お薦めです
DVDで室内ではなくコンサートホールでお楽しみください。


2015.11.10

ローマ・オペラ座でバレー鑑賞

ローマ・オペラ座でバレー鑑賞しました。
バレーを観るのは随分と久しぶりです。

ローマ歌劇場の歴史は古く、ローマ皇帝ヘリオガバルスの邸宅跡地に
1880年に建造、1926年には王室歌劇場になり 現在のローマ歌劇場になったのは
1946年, 運営者が変わる度に大幅に改築を繰り返しました。


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私が鑑賞した日は15:00開演のため親子連れの子供たちが多く
1600席はほぼ満席でした。

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バレーの演目はコッペリア 1870年パリ・オペラ座で初演
人形に恋した博士と若い男女の恋物語です。
楽曲はマズルカ、ワルツ、ハンガリー舞曲、ボレロ と
聴いているだけでも楽しい演奏でした。

ローマの冬の長い夜、オペラや音楽鑑賞でお楽しみください。
2015.09.25

ローマの街に響く音楽

ローマを歩いているとどこからともなく音楽が聴こえてきて
思わず野外コンサートを楽しめたりします。

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パンテオン遺跡前で、オペラ・テノール歌手がアリアを熱唱してました。
切なく、そして甘いテノールの響きに多くの観光客が足を止めて魅了されていました


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レストラン前でアコーデオン演奏
ゴットファザーのテーマ曲を弾いてました。
ローマに来た頃、カンツォーネのリクエスト曲の定番で
毎日の様に聴いてました。
昔の日本人団体ツァーは夜は必ず
カンツォーネを聴きながらのディナーでした。



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ツィンバロン 東欧の民族楽器 (バス停前にて)
ピアノのように台に張った弦を猫じゃらしのような2本のバチで叩いて演奏すると、
ピアノのように美しく、ハープのように深く、チェンバロのように独特の音がする打弦楽器
この楽器からハープシコードを経て、ピアノが誕生したと言われています
細いスチールの弦を、か細いばちでたたくだけなのに、大きな音が鳴り響き驚かされる

   
まだ聴いたこと無い方はこちら↑でお楽しみを。


ガイドブックに載っていないローマの街を
ローマナビネットはご案内します。


2015.04.28

ローマで駅ナカ・ピアノコンサート ♪

ローマ・ティブリティーナ駅構内でピアノコンサートに出会いました。
誰でも自由に弾いてくださいと、ピアノの上にメモ書きがあります。

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(ティブリティーナ駅構内)

駅中コンサートはフランスで始まりました
パリの駅構内で展示品のピアノを片付け様とした時、
誰かがピアノを弾き始め、騒がしかった構内は静まり
駅の雰囲気は変わったそうです。
スポンサーの好意でピアノを置き、誰でもいつでもピアノを弾ける様にと。
やがてパリの主要駅構内でもピアノを置き、多くのピアニストが
弾き始めユーチューブで録画して人気投票に発展したとか
パリ在住の日本人ピアニスト近藤由貴も弾いています。 ↓


(近藤由貴は、既にその功績に贈られた国際的な賞の数々とともに、
才能に恵まれたピアニストだ。
彼女は、知性と大いなる音楽性、そして信じ難いテクニックの持ち主である。)

・・・・・やがてローマにも伝わりローマティブリティーナ駅でも
ピアノを置き、誰でも弾ける様にと始まりました。
盗難&ラクガキの多いローマでいつまで続けられるか
少し心配ですが・・・ 。
2015.02.19

ローマ・オラトリオ・デル・ゴンファローネで音楽会

3000人規模のホールでクラシックコンサートを聴く機会が多いですが
先日は100人で満員になってしまう小さいな教会の祈祷所での音楽会

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オラトリオ・デル・ゴンファローネ(1573年建造)
一般公開はしていません。
1か月に1回ほどあるコンサートでしか内部を
見学することはできません。

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壁一面にキリスト受難伝が絵巻の様に描かれています
作者:フェデリコ・ツッカリ(イタリアのマニエリスム画家)
代表作:
オルヴィエート大聖堂、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(フィレンツェ)
フィレンツェのピッティ宮殿『2匹の犬と男性』の肖像画
ローマのボルゲーゼ美術館『天使たちと死せるキリスト』などがあります。

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最後の晩餐もあります。

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コンサートの演目:Brunetta e Burlotto - (1720年作のバロック)
ソプラノ: Anna Catarci soprano バッソ: Salvatore D'Alò
バイオリン、チェロ、チェンバロなどの楽団も入り本格的なコンサートでした。
チケット代は20ユーロと激安。
こんな素敵な会場のコンサート イタリアならではの体験です

お問い合わせは ローマナビネット へ
2015.02.12

ローマの冬の夜長は音楽鑑賞で楽しく

ローマの冬は18時頃には真っ暗になり長い夜になります。
長い夜の過ごし方....
イルミネーション散策はお薦めですが,
音楽鑑賞もお薦めです。
10年前は日本人観光客は音楽と言うとカンツォーネでした
しかしカンツォーネも観光客向け過ぎて飽きられてきてます。
オペラは3時間と長いし、終えるのが23時過ぎでは少し辛い
平均2時間で終えるクラッシクコンサート鑑賞がお薦め
日によっては18時からの早い時間帯もあります
帰りのタクシーは受付で予約できます。


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イタリア最大の客席のホール・サンタチェリア(3000席)
これくらいの席数が無いと世界のトップアーチストを呼べません

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先日はアメリカを代表するバイオリニスト:ジョシュア・ベルのコンサートでした。
1713年製のストラディヴァリウス「ギブソン」 5億円のバイオリンで奏でます。
2階席の遠くから聴いていても、透き通る小さな旋律が伝わってきました。

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後半はシューマンのシンフォニー2番でした

ローマでの音楽鑑賞お薦めです。

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2014.10.07

ローマオペラ座の危機

イタリア3大歌劇場-ローマオペラ座の危機です。

イタリア・オペラ界を牽引する世界的指揮者=リッカルド・ムーティ氏は
ローマオペラ座名誉指揮者を辞任すると9月21日に発表しました。
原因は楽団運営資金難、楽団員の組合闘争などが続き、
優れた演奏の指揮を執れなくたった ...との理由です。
とても残念でした。 ローマオペラ座に行く楽しみが失せました。

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更に絶望的に残念なのは本日の讀賣新聞の記事
財政難,年末に団員182人全員解雇 !!
4000万ユーロ(56億円)の負債。
来年からアウトソーシング(外部委託)に切り替えるとのこと
イタリアのクラシック音楽業界は国からの助成金を打ち切られ財政難で
演奏家の給与は滞っていると聞いてます。
演奏会場で「劇場継続のためにご協力」をというビラをよく貰います。

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オペラは質素な舞台演出になったらダメです。
日本で歌舞伎が質素な衣装や舞台、照明になったら観客は激減することでしょう。
ローマオペラ座の1階席は1万円を超えるチケット代です。
浮世離れを期待して大枚を払うのに、ケチクサイ演出だったら離れるだろうな
海外に流れるだろうな。 とっても残念です。
国を代表する文化が衰退することって。



2014.03.13

オペラ・トスカの舞台の教会にて

オペラファンでしたら是非、ご案内したい教会がこちら
オペラ「トスカ」の第1幕の舞台の教会

サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会

1591年起工・1623年完成 サンピエトロ教会より古いです。
イタリアン・バロック建築の初期の教会
クーポラの設計=カルロ・マデルノ。
クーポラフレスコ画=ドメニキーノ
教会全体のプロジェクト=ジャコモ・デッラ・ポルタ,マデルノ
ファサード=ジャコモ・ライナルディが1600年代後半に完成。

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大理石の柱、天井画は光が差し込むと黄金色に拡がり
荘厳さが増し美しいです。

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フレスコ画「聖アンドレア伝」はドメキーニの傑作の一つ。
トスカ第一幕のフィナーレで歌われる『テ・デウム』で荘厳に鳴り響く
パイプオルガンは右にあります。

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教会のすぐ左にバルベリーニ礼拝堂があります
バロックの巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの父
ベルニーニ、ピエトロ(Bernini・ Pietro)の作品
スペイン階段前のバルカッチャの噴水は親子で作りました。


イタリア国営放送RAIUNOのトスカ一幕。
三大テノールのプラシド・ドミンゴです。
教会内部がよく分かります。

サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会
Basilica di Sant'Andrea della Valle
Piazza Sant'Andrea della Valle
カンポディフィオーリからナボーナ広場へ行く途中です。

ローマご案内は ローマナビネットにご相談ください


2013.11.17

孤高の天才ピアニスト クリスチャン・ツィメルマン

ローマで10月末にクリスチャン・ツィメルマンのピアノコンサートが
予定されてましたが病気を理由にキャンセルになってしまいました。
とっても楽しみにしてただけに、すっごいショックです。
11月は日本の各都市で演奏会が予定されていましたが、
12月~1月に延期になりました。
体調不良(急性腰痛症)でスイスで療養中とのことです。
日本の寒い冬での演奏大丈夫なのかしらと心配です。

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クリスチャン・ツィメルマンのリサイタルのプログラムは、
ベートーヴェンがピアノ・ソナタに対して残した
最後のメッセージともいうべき後期3大ソナタ。
クラシック・ファンが待ちに待った「究極のベートーヴェン」
ポーランドのサブジェに生まれ1975年、史上最年少でショパン・コンクール優勝、
円熟期を迎え、世界最高峰の頂にたつ巨匠として、その評価が高まるばかりです。

許光俊著「世界最高のピアニスト」の本の中で絶賛されてます。
コンサートに行けない方は「ショパン・ピアノ協奏曲第一、二番」のCDを
聴かれてみてください。
「今後、彼抜きではショパンのピアノ協奏曲は語れないというほど
独特かつ説得力ある演奏である。真の音楽家は、理想の演奏を行うために
手間暇を惜しむべきでないと改めて教えてくれる貴重な例である。」と
書かれています。

ローマでは5月20日に日本のリサイタルと同じプログラムで
コンサートがあります。お値段は日本のほぼ半値
5月に旅行をご予定の方は是非、お薦めです。

チケット代理購入は ローマナビネット までお問い合わせください。
2013.11.10

ローマでクラシックコンサート

イタリアではオペラと決めている方が多いですが
クラシックコンサートもお薦めです。
日本では観賞が難しい世界からのトップアーティストが客演してます。
今季では、イタリアを代表する指揮者クラウディオ・アバト、
アメリカを代表する指揮者ケント・ナガノも客演してます。

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私たちは新シーズンの開幕コンサートにでかけました。
演目はブリテン作曲の歌劇「ピーター・グライムズ」
オペラのコンサート方式(舞台演出がない)

ちりりあ
アウディトリウムのサンタチェリアホールはクラシック専用で
音響効果が他のイタリアのホールに比べ断トツで素晴らしいです。

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「ピーター・グライムズ」はもっとも救いようのないオペラと称され
「主人公の漁師ピーターは、不幸、不運、悲惨、疎外感、貧困、不満、絶望といった要素を
一身に身に背負ったきわめて抽象的な存在なのかもしれない。
よくこんなオペラが作曲できたものである」...と称されてます
この様なストリーを6つの間奏曲を含め、
その夜明け、嵐、日曜の朝、海、霧、夕暮れを描いたオーケストラのパートが美しく。
音楽的には、この6つの間奏曲がオペラを牽引。素晴らしい出来に仕上げてます。
イギリスオペラとイタリアオペラの違いがよく分かります。
日本では昨秋に新国立劇場オペラハウスの開幕オペラとして上演,大盛況でした。
ローマではローマ在住のイギリス人で溢れてました。